メンヘラは全員出家しろ

好きなものは即身仏と冬虫夏草です。このブログはあなたのお役に立ちません。

四つ星チャイニーズ

イーアルカンフー、ウーロンチャ―。

どうも辮髪です。

 

今日は朝からいい天気だったので、

左ひじにできたムッシュかまやつ似の人面瘡にオロナインを塗りながら

「何か死にたいなー」

と思っていると、

仙人ぽいビジュアルのじじぃが訪ねてきた。

 

ピンポーン

 

「はい」

 

うちは最近モニター付きのインターホンをつけたばかりだ。

 

「獣のように生きるのじゃ。」

 

「お母さんがいないからわかりません。」

 

ガチャッ

 

関わっちゃいけないタイプの仙人だ。

私は相手にしないことにした。

 

ピンポーン

 

「警察を呼びますよ」

 

「まぁ話しを聞きなさい」

 

仙人は袋から何かをとりだすとインターホンのカメラに近づけた。

 

「…なぜそれを!?」

 

仙人が持っていたのは、

じっちゃんの形見の四星球だった。

 

私はドアを開けた。

 

仙人の姿はそこにはなく、

ドアの前に居たのは、シルクのチャイナドレスを着たセクシーな美女だった。

 

彼女は妖艶な笑みを浮かべると手に持っていたものを私に差し出した。

それは四星球ではなく小さな桃饅頭だった。

 

「これは毒がはいっていますか?」

 

桃饅頭はホカホカと湯気を立てていた。

 

彼女は答えない。

 

この人の唇は微笑むためだけにあるのだ。

 

私はこんなに紅い唇を見た事がなかったので背骨がとろけてきた。

 

毒が入ってるんだろうなーと思いながら食べた。

 

ふふふ。

 

だってこのお姉さん、すごくいい匂いがするんだもの。

 

うふふ。

 

私は眠った。

 

蝶になる夢を見た。

 

夢の中の蝶の私が死んだと同時に目が覚めた。

 

目が覚めるとそこは万里の長城だった。

 

美女は虎になっていた。

 

困ったなぁ。パスポート持ってきたら良かった。

 

虎は私の心配をよそに言った。

 

「獣のように生きるのじゃ。」

 

「…はい、老師。」

 

私は逆らうのをやめた。

 

「牛を見つけなさい。望みをかなえよう。」

 

仙人が牛の姿になって言った。

 

「もう見つけています。毒手拳教えてください。」

 

「ぇ?毒手拳?」

 

毒手拳。できないんですか?」

 

「ぃゃ、できるけど…何で毒手拳?」

 

「言いたいことも言えないこんな世の中をポイズンするんです。」

 

「よかろう。」

 

こうして私は仙人から毒手拳を教わることになった。

 

つづく