メンヘラは現実を見ろ

内観、自助グループ、学習、宗教、自己表現など様々なツールを使って愛着障害と供依存からの回復を図る電波なメンヘラの心象風景

新興宗教の勧誘の人とがっつり話してみたら熱が出た。

今日ね昼間から家で初音ミクの般若心経聞いてたら藪から棒にドアのチャイムが鳴って、

ガスか何かの集金かと思って不用心にドア開けちゃったら、

そこには上品そうなおばちゃんが立ってて。

 

おばちゃん「こんにちは。わたくしN脇と申します。生活改善何とかのご案内で今この辺りの方にお話しさせていただいてて、むにゃむにゃ…」

 

何か健康のために朝五時とか六時とかの早い時間に集まってて朝日を浴びることが人間にとってどれだけ大切かとか、自分達は生活習慣を改善することでよりよい人生を送りましょうよとかそういう活動をしている団体で決してあやしい宗教ではないのだとかそういう話しをいきなり話し出した。

 

今思うとこの時点で調子が狂ってもう相手のペースに巻き込まれていた。

 

おばちゃん「今、お仕事はされてるの?」

 

私「いえ。」

 

おばちゃん「あら。失礼ですけど、奥さまですか?」

 

私「いえ違います。ニートです。」

 

おばちゃん「まぁ…じゃあ、人の輪の中に入るのが、あんまり得意じゃない感じ?」

 

私「え…(この人本当に失礼だな)」

 

おばちゃんはその後も一人で喋りながら何か冊子を見せてきた。冊子には人の道を説くようないい言葉やその団体がこんな立派な社会活動をしたとか書いてるようで、おばちゃんは自分が毎朝暗唱しているいい言葉を読み上げたりして

 

「ね?いい言葉でしょう?」

 

と言ってきた。

 

私は段々胸の辺りが苦しくなってきた。

 

何なんだろうこの人。

 

表面上とても立派そうな事を言ってるけど何かいろいろ破綻しているところをどんどん突っ込んでいって論破してやりたいようなうずうずしている自分もいて、

 

でももうそういうことはやめたいと思ってる自分もいた。

 

「私話を聞きたいとか一言も言ってないんですけど?自分は立派ないいことをしているから私の時間を奪う権利が当然あるとか思ってるんですか?」

とか

「自分にとって薬になったことでも他の人には毒になるかもしれないとか想像できないんですか?」

とか

 

そういう風にやたらと噛みつきたくなる自分を抑えるのがとてもしんどかった。

 

最近、言霊というのは確かにあるんだなと感じるような場面に出くわすことが多くて、自分が発する言葉にすごく敏感になっている。

 

感情をむき出しにしてきつい言葉で相手を追いつめるてしまうと、その時気分がいいように感じても全部そのまま自分に帰ってくる。

 

思ってもない美辞麗句や理想を並べて会話だけがトゥルントゥルンと空回りしたり、ただ会話をつなげるための中身のない話しをしてしまうとそれもしんどくなってしまう。

 

 

どうしたらいいかわからなくなったので、とりあえずおばちゃんの目をすごい集中力で覗き込んでみた。

 

 

基本的にわたしは変な人とか自分が好きなものについて真剣に語り出して止まらなくなるような人が大好きで、

そういう人が話に夢中になって、もうこっちにおかまいなしな勢いで喋っている時に相手の目の奥深くをじっと覗き込んでしまう癖がある。

 

そしたら時々なぜか相手の目が段々潤んできて、何かこっちも泣きそうになる時がある。

 

話の内容自体は私が全然興味がない相手の趣味の話しだったり、子供の頃の他愛無い話しだったりするんだけど、私はそういう瞬間が好きで、

 

『この人が生きててくれてうれしいな』

 

としみじみ思えたりする。

 

 

 

このおばちゃんが何か違うのは薄々わかってたんだけど、

 

ちょっとトライする感じでじっと眼を見つめてみた。

 

あと、どうしたらいいか分からない時は、とりあえず眼だけはかっ開いて起きていることをただ見届けることにしようと思った。

 

 

 

 

あれ?

 

なんか…

 

…目が合わない

 

顔はこっちを向いてるし私に向かってしゃべっているように見えるんだけど、

どんなに覗き込んでも目が合わない。

 

 

…この人は一体誰と話しているんだろう。

 

 

なんかその時もうゲロを吐きそうになった。

 

おばちゃんはどうやら今差し出している冊子を私が受け取るまでしゃべり続けるつもりらしい。

 

無理だ。

 

この人と会話をするのは無理だ。

 

完敗だ。

 

降参しよう。

 

とにかくこのやりとりを終わらせたい一心で私はおばちゃんの話しに割って入った。

 

私「あの…」

 

声が震える。

 

わたしはこの上品そうなおばちゃんが恐くなっていた。

 

私「その、朝起き会?みたいな集まりはどこでやってるんですか?」

 

おばちゃんがうれしそうに場所の説明をはじめた。歩いて行ける近所に立派な会館があると言う。毎日一年365日欠かさず続けられていて老人から子供まで色んな人が来ていてみんな生き生きとしていて…

 

とまた長くなりそうだったので、相変わらず震える声で言った。

 

私「あの…わたしは経験上、どんなにためになるいいことでも、自分から求めていったものしか身に付かないんです。」

 

おばちゃんが、やっと黙った。

 

私「それで…人に勧められて何か新しいことしてみるときは、その人を見て決めることにしているんです。それをやってる人が本当に幸せそうで尊敬できる人なら見習う価値があると思っています。えっと…お名前をもう一度教えてもらえますか?」

 

おばちゃん「…N脇です。」

 

その時やっとおばちゃんと目があった。

 

私「西脇さん、今わたし、ちょっとそういうの感じられないんです。何かね、…あの…びっくりしちゃって。」

 

おばちゃん「…。」

 

私「だから、このあと気持ちが落ち着いてから、もし今日のこの西脇さんとの出会いに何か感じるものがあったら、さっき教えてもらった場所にこちらから赴きます。」

 

おばちゃん「そうですねご縁というものがありますしね…。じゃあこの本だけでも読んでもらって。こちら、差し上げますので。ね?」

 

私「いえ、その本は、もしわたしが自分から行ったらその時ください。」

 

おばちゃん「じゃぁ、あの、あなたのお名前は?」

 

私「それも、その時に言います。」

 

おばちゃん「ぁ…でもはじめて来る人は車でお迎えに来て差し上げることになってるんですよ。朝の4時とか5時とかですから危ないでしょ?わたしの電話番号を教えておきますから…」

 

私「それも大丈夫です。もし行きたくなったら自分の足で行きます。」

 

おばちゃん「…そうですか。」

 

私「はい。今日はどうもありがとうございました。」

 

おばちゃん「ぁ、はい、ありがとうございました…」

 

おばちゃんは帰って行った。

 

なんかすごい疲れた。

おばちゃんが帰った後ちょっと熱が出て2時間くらい寝込んだ。

 

あんなに全力で対応しなくても、普通に忙しいとか興味ないって言ってすぐ断ればこんなに疲れなかったんだろうな。

 

話し聞いちゃったから目をつけられて執拗に勧誘に来るようになったら面倒くさいな。

 

変な人も夢中で話してる人の話しを聞くのも好きだけどあのおばちゃんは何か、すごく、嫌だな。

 

わたし、あのおばちゃんは大嫌い。

 

大嫌いな人のために、わたしの心は動かない。

 

あ、

 

なんか、

 

大嫌いって言うの楽しい。

 

ふふふ。

 

そっかー、大嫌いな人がいてもいいんだ。

 

もしまた来たら、

「あなたのことが大嫌いだからあなたの話は聞きません!」

とか言っちゃおうかな。

 

ふふふ。

 

また来ないかな、N脇さん。

 

変なの。さっきまで大嫌いだったのに。

 

何というか、

 

好かれようと媚びる必要もないしわざわざ喧嘩を売る必要もないんだよなぁ。

 

上手くバランスをとれるようになれば、他人に惑わされないでのびのび自然に振る舞えるんだろうか。

 

難しいな、人と関わるのって。

 

難しくて、面倒くさい。

 

頭ではわかっている時でも、気にしたくなくても、

 

心が、勝手に揺れる。

 

私はまだまだ未熟だから、今のところはあぁこの人好きだなぁ大切にしたいなって自然に思える人と関わるようにしよう。

 

そのことに気付かせてくれてありがとう。N脇さん。