左ひじのムッシュ(3) 自分を巨乳の萌え系ヒロインにしたエロ小説を書いてみた
どうもツンデレです。愚民の皆さんこんにちは。
今日は雨なので乳を揺らしながら家の冷蔵庫の掃除でもします。
「え!?」
ちょっとやだ…うちの冷蔵庫、思ってたより大きい…
私は自宅の500リットルの冷蔵庫を前にアヘ顔ダブルピースをした。
そしておもむろに髪をツインテールに結わえた。
気を取り直して乳を揺らしながら冷蔵庫の中から期限切れになったドレッシングやカラカラに乾いた油揚げや何かを取り出していると、
「何やってるんですか?」
隣の家に住んでいる幼馴染で初恋の相手でもあり今は高校の同級生で席も隣で常に前髪が目にかかっていて表情が読めず何の取り柄もないわりには何故か美少女にモテまくっていてそれにもかかわらず自分は女にあんまり興味なくて私の気持ちにも全く気付いてないあいつが声をかけてきた。
「もう!勝手に家に入って来ないでよ!見ればわかるでしょ!冷蔵庫の掃除してるのよ!」
私は無駄に乳を揺らしながらアニメ声で言い返した。
「チャイム鳴らしましたよ。あと、パンツ見えてますよ。」
「ふぇ!?バカバカ!エッチ!もう知らないんだから!」
恥ずかしい…!!
私は顔がカーッと熱くなり、唐紅色に頬を染めた。
そして羞恥の感情が高ぶったあまりにさっき結わえたツインテールが地面に対して垂直な角度を保ちながら逆立っているのを感じながら、ニーソックスを脱いだり履いたりした。
「手伝いますよ。」
「あ、…ありがとう」
…なんだ、けっこう優しいところあるんじゃない。
私は妙に胸を強調したデザインのメイド服に着替えながら思った。
そして2人はおっぱいが腕に当たりそうでギリギリ当たらない距離感を保ちながら作業を始めた。
「メール、ありがとう。」
「ねぇ麺つゆって常温保存でいけるのかな?」
「どうかな?醤油も冷蔵庫に入れた方がいいって人もいるよね。」
「梅干しは?」
「塩分の多いやつだったら常温でも大丈夫だと思うよ。」
「味噌は?」
「味噌も塩分によるのかな?夏場は冷蔵庫の方がいいのかな?あんまり考えた事なかったからちょっと調べてみる。」
あいつはタブレットを取り出してネットで検索しはじめた。
「ウスターソースは?」
「マヨネーズは?」
「豆板醤は?」
「バルサミコは?」
ドキン、
ドキン…
静まれ、私の心臓。
私は家の中の調味料や保存食が要冷蔵なのか常温保存可能なのかを1品目確認する度に1枚ずつ服を脱いでいっていた。
だめ…このまま続けたらあいつにうちの食料事情が知られちゃうっ…!!
でも私は知りたい気持ちに抗えなかった。
「しゃ、鮭フレークは?」
「突然あんな風に別れたから、連絡してくると思わなかった。」
タブレットで鮭フレークの保存方法を検索しながらあいつが言った。
はぁ?わたしがいつあんたとつきあってたのよ?ばっかじゃない?
しかも私が半裸で乳を揺らしている事に全く気付いていないようだ。
本当にもう、鈍感なんだから!!
「ナンプラー。」
「5年前。」
「スイートチリソース。」
「5年前、どうして出て行ったの?」
「海苔の佃煮。」
「何でまた突然メールを?」
「紅ショウガ…」
どうしよう…
窓から差し込む西日に照らされて私の乳は揺れ続けていた。
もう、脱ぐものと言ったら眼鏡か猫耳カチューシャか皮膚しかない。
さっきまで勢いよく流線型を描いていたツインテールも今は垂れ下り、身体の大事なところが見えないように覆い隠すような形状になっていた。
何故に私の頭髪や乳房はこんな風に重力に逆らった動きをするのだろうか。
まるで感情を持った生き物のようだ。
5年前…?
私は必死に思い出そうとしていた。
もっと冷蔵庫に入れておいた方がいいのかどうかわからない何かがあるはずだ。
もっと他にもたくさんあるはずだ。
冷蔵庫に入れておいた方がいいのかどうかわからない微妙な何かが。
「僕はあなたのお父さんではないよ。」
「…」
「自転車泥棒でもないよ。」
「ブルァ~、どうだ~い、ふぅぐたく~ん、今夜~?」
「話しをはぐらかす時あなごさんの物真似するところ、変わってないんだね。」
「ブルァ~」
「僕は今よしみんの何なのだろう?」
「ブルァ~、ふ~ぐたく~ん」
「はは、相変わらず全然似てないなぁ。」
「うるさい!!」
今のところ、おっぱいが腕に当たりそうでギリギリ当たらない距離感を保っている。
あいつはすぐ隣で無駄に揺れている私の乳の存在をガン無視したまま、勝手に冷蔵庫から何かを取り出した。
「あ…それは…」
それは、別珍の布でくるんだ鳥だった。
「待って開けないで」
あいつはかまわず手のひらの上で包みを開いた。
「台風が来たから…」
「あ…」
鳥は翡翠に変わっていた。
「きれいだね。」
とあいつが言った。
もう何なの?
さっきから変な事ばっかり言っててわけわかんない!
「でももう死んでる。」
何故か涙が出た。
手のひらで温めて生き返らせようとしたが鳥は冷たいままだった。
最初から生きた鳥じゃなかった。
それに、あの日は台風だった。
あいつが今度は大きな包みを取り出した。
別珍の布でくるんだカヌーだ。
「や、誰が勝手にそんなことしていいって言ったのよ!?」
あいつはカヌーを包んでいた布を取り払い、その布を私の肩にそっとかけて囁いた。
「よしみん、これはカヌーじゃないよ。」
「え…?」
「カヤックだ。」
「うそ…」
カヌーはカヤックに変わっていた。
いや、最初からカヤックだったのかもしれないけどそもそも私にはカヌーとカヤックの見わけがつかない。
もう何か混乱してきたので、とりあえずアヘ顔ダブルピースをしておいた。
「そしてこれも…」
無視された。
やめておけば良かった。
あいつは最後の布に手をかけた。
「あ、だめ…」
私は抵抗できなかった。
それに乳の揺れがさっきからどんどん激しくなってきているのも心配になってきた。
ちょっと乳の揺れに逆らうように身体を揺らして止めようとしたり試みてみたがそれも逆効果でますます乳は揺れるばかりだった。
ファサッ
その布にくるんでいたのは、
隣の家の車のボンネットに刺さっていたお坊さんのはずだった。
「やっぱりそうか…。よしみん、これはお坊さんなんかじゃないよ。」
あいつは優しい声で言った。
「…もうやめて…」
「ほら、自分でよく見てごらん。これは」
「お願い…」
「ブルース・ウィリスだよ。アーユーオーケイ?」
「uh…ok…she is crazy…」
ブルース・ウィルスは生きていたので寿司を食わせてハリウッドに帰すことにした。
乳の揺れは留まるところを知らず激しくなる一方だ。
「ばかばか!何で帰しちゃうのよ!せっかく即身仏にしようと思ってたのに!」
「ハゲを冷蔵庫に入れておいても即身仏にはならないんだよ、よしみん。」
「えーいうるさい!これでもくらいなさい!…キャッ!!」
その瞬間、
私の乳の揺れが音速の壁を超えた。
2人の間に閃光が走り、轟音が鳴り響いた。
バシュウウウウウウッ!!!!
私は巻き起こる衝撃で転んでしまった。
「いたた、もう、なんでこんな所でソニックブームが起きるのよ…」
チュッ♡
「…!!」
「…え?」
転んだ拍子にあいつの唇がわたしの左ひじにあるムッシュかまやつ似の人面瘡のくちびるに触れていた。
そんな!ムッシュのファーストキスが!!
きっとムッシュもショックだっただろう。
そう思って自分の左ひじを見た。
「ムッシュ、だいじょうぶ?」
…!!
この人面瘡ッ!!
ドロ水で口を洗っているッ!!
「え?マジでムッシュ?そこまでするほど嫌だったの?」
「ごめん…」
あいつもディオのようにヌオオオとはならずに普通にめっちゃ謝っている。
「本当にごめん…よしみんどうしよう…ムッシュめっちゃ傷ついてる…」
「うん…わたしもここまで嫌がると思ってなかった…」
ムッシュは泣いていた。
「どうしよう…」
私たちは心を痛めた。
純潔を穢された人面瘡の悲しみで左ひじから先がヒリヒリと痺れた。
この小さな瞳から溢るる涙を止める術はないものか。
考えあぐねた私は、とりあえずもう一度アヘ顔ダブルピースをしてみた。
「そうだ…ムッシュ、オロナイン好きだよね?オロナイン塗ってみたらどうかな?」
無視された。
もう何なんだよこいつさっきからエロ要素完全無視じゃねえかよ!!
鈍感とかそういうレベルじゃねーだろ!!
肘とか腕におっぱい当てに行ってんのに一回も当たらねーし!!
全部意図的に避けてるとしたら色んな意味ですげーよ!!
色んな意味ですご過ぎて逆に惚れるわ!!
もう、逆に惚れるわ!!
逆にって言うかもう、
…やっぱり私、
あいつが好き。
それにしても、そんなに私って魅力ないのかな…?
クスン。
でも負けないモン☆
「うん…何かわたし痺れて動けないからオロナイン塗ってくれる?」
「わかった。」
「んっ…」
「ぁ、ごめん…大丈夫?」
「大丈夫…どう?ムッシュ、うっとりした?」
「だめだ…まだ泣きやまない。」
「ニベアも塗ってみて…」
「わかった。」
「んっ…」
「ぁ、ごめん…大丈夫?」
「大丈夫…ムッシュはどう?」
「泣きやんだんだけど…まだ悲しそうだ。」
「ニベアもだめか…そうだ!」
私はおもむろに立ち上がり家の薬箱から取り出したそれをあいつに手渡した。
「これを塗ってみて。」
「これは、まさか…」
「フェミニーナ軟膏よ。」
「…!!」
「女性のデリケートな所のかゆみも自分で治せるのよ。」
「よしみん、痺れて動けないんじゃ…?」
私は全然似ていないあなご君の物真似をした。
「ブルァ~。ふぅ~ぐたく~ん」
「わかった。塗るよ。」
「んっ…」
「ぁ、ごめん…大丈夫?」
「大丈夫…ムッシュは?」
「ムッシュは…あ!」
ぇ何?ムッシュどうなったの?
「…すごいうっとりしてる。」
「え、うわ…本当だ…」
ムッシュは私の左ひじの上でぬらぬらとなまめかしく輝きながら恍惚の表情を浮かべている。
うわ…
何これ…
…ムッシュ超かわいいんですけど。
「…かわいいね。」
「…うん、かわいいね。」
ムッシュがキャッキャッと笑った。
「…何なんだろう、この気持ち。」
「…わからない。」
この言葉にできない気持ちを何と呼べばいいのだろう。
「味わい深いね。」
「うん、実に味わい深いね。」
ラーラーラ♪
ララーラ♪
こと、ばに、できなーい♪
どこからともなく、小田和正の歌が聞こえてきた。
「え?このメロディ…まさか…」
「そう、」
あいつは右腕に巻いていた包帯をゆっくりとほどいた。
「そのまさかだよ。」
あいつの右ひじで、小田和正にそっくりな人面瘡が歌っていた。
♪ あなたに、
♪ 会えて、
♪ 本当に、
♪ 良かった。
優しい空気が私たちの空白の5年間を満たしていく。
♪ 嬉しくて、
♪ 嬉しくて、
♪ 言葉にできない。
「…ママ。」
「え?ムッシュ今しゃべった?」
「え?うそ?」
「今『ママ』って」
「え?ムッシュ喋れるの?」
♪ とぼけた顔してババンバーン!!
ムッシュはとぼけた顔をした。
何だ、気のせいか。
「ずっと言おうと思ってたんだ」
♪ あいつにゃとってもかなわなーい
「よしみん。」
♪ バンバンババババババババーン
「結婚しよう。」
♪ バンバンババババババババーン
「…うん。」
センキュッ!!
その日を最後にムッシュは消えた。
私の乳の揺れも止まった。
おしまい